令和6年3月定例会の一般質問で、2つのテーマについて市の姿勢を厳しく問いただした。
一つは「市職員の公務災害と安全管理のあり方」、もう一つは「一向に進捗が見られない中央公民館跡地事業について」の2点。
行政が市民の安全を守るためには、まず最前線で働く市職員の命と健康が守られていなければならない。しかし、過去の悲惨な事例を紐解くと、市の組織的な責任の欠如が見えてきている。
市職員の公務災害:なぜ適切な手続が取られなかったのか?
昨年12月、出初め式の準備に向かった職員が脚立から落下し、意識不明の重体となる痛ましい事故が発生した。これを受け、私は過去に遡って公務災害の発生状況を調査した結果、以下の事実が判明している。
平成23年7月:商工業振興課の職員が市議会控室で公務中に倒れ死亡したにもかかわらず、公務災害として申請すらされておらず、市に詳細な記録が残っていなかった。
平成14年3月:市立水野保育所の所長が敷地内で焼身自殺を図り死亡(後に審査請求を経て公務災害認定)。
平成29年4月:情報政策課職員が市庁舎7階から身を投げて死亡(約2年後に公務災害認定)
市は「公務災害の申請は本人や遺族の意思(請求主義)に基づくため、請求がなければ記録に残さない」と答弁しました。しかし、地方公務員災害補償法の規則第49条第1項には、任命権者(市長)は被災職員が手続を行うにあたり指導・援助しなければならないと定められている。組織として遺族に寄り添い、当然受けるべき補償の手続をサポートする義務を果たしていない市の隠蔽体質とも取れる対応を、私は厳しく指摘した。
第三者委員会の報告:平成29年死亡事故の原因と責任の所在
平成29年に発生した職員の飛び降り死亡事故については、「市職員の死亡に係る業務実態調査委員会(第三者委員会)」が設置され、報告書がまとめられた。
この報告書の内容から、事故の「原因」と「責任の所在」が浮き彫りになっている。
【原因の明確化】 報告書では「二重の指示伝達系統」の存在が指摘されており、亡くなられた情報システム課の職員は、総務部所属でありながら総合政策部との関わりが深く、2つの部から業務を抱え込む状態にあった。この組織構造の歪みが、業務内容の複雑化や過剰な業務量の増加を招いたことが原因とされていた。
【責任の所在】 責任は極めて明確で、専門的知識を要する業務を一個人に背負わせ、二つの部署からの指示が飛ぶ異常な管理形態(二重の指示伝達系統)を放置していた「市(任命権者および管理職)」に組織としての重大な責任があった。
現場の悲鳴をすくい上げ、業務の外部委託や専門職の配置、職員の長期間在籍の解消といった労働環境の整備を怠った行政トップのマネジメント不足が招いた悲劇と言わざるを得まない。
中央公民館跡地事業:進まない「にぎわい創出」への懸念
もう一つの大きな問題が、旧中央公民館跡地(にぎわい広場)の進捗状況である。 市は事業提案に基づき「飲食店の出店」や「サイクルポート、観光インフォメーションの設置」を約束していたが、跡地売却から年月が経過しても、飲食店は入居しておらず、関連設備も未設置のままである。
市は「コロナ禍の影響」を理由に挙げているが、文書による定期報告が不十分なまま専決処理がなされているなど、行政としての事業者に対する指導や管理体制の甘さが露呈しているす。一等地である駅前の利活用がこのまま中途半端に終わることは許されない。
行政御意見番としての提言
職員が安心して働けない組織に、市民の命と生活を守ることはできまない。市は「リスクアセスメントの導入」などを掲げているが、形骸化した注意喚起ではなく、任命権者としての責任ある行動と根本的な労働環境の改善が急務である。 また、市の財産を売却して行われている跡地事業についても、市民への約束が果たされるよう、引き続き厳しく監視しすべきと考え、声を上げていく。