◆狭山市の監査は機能しているか?田中議員が迫る「体制の抜本的改革」(2026/12/29)

  行政の監視役である「監査」は、地方自治体において正しく機能しているのだろうか。狭山市の12月議会で田中寿夫議員が行った一般質問の内容を確認し、ライターとして強い危機感を抱いた。

 


田中議員が指摘した問題は極めて深刻だ。給食センターにおける10年間にも及ぶ旧年度分支払いの新年度予算への付け替え(単年度主義の違反)、狭山市駅西口駐輪場の指定管理者に対する納付金未納への対応遅れによる約3,000万円の不良債権化など、ずさんな事務執行が次々と明らかになっている。さらに驚くべきは、市全体の事務をチェックする「行政監査」が平成6年以降、実に30年近く実施されていないという事実である。

 年間600億円規模の予算を抱える狭山市だが、非常勤の監査委員の出勤日数は月平均わずか5日、事務局職員は4名のみ。この脆弱な体制で、巨額の税金が適正に使われているかを見極めるのは到底困難だろう。そこで田中議員は、平成29年の地方自治法改正を背景に、議会選出の監査委員を廃止し、弁護士など「法律の専門家」を登用する条例改正を強く提言した。

  今回の質疑から、自治体の自己浄化能力の限界を痛感した。行政の不適切な事務処理が長年見過ごされてきた代償は、最終的に市民の血税で贖われることになる。田中議員の「法令順守の視点を持つ専門家による監査が必要だ」という主張は、極めて真っ当であり説得力がある。他の自治体の動向をただ伺うのではなく、先駆けて抜本的な監査体制の改革を断行できるか。狭山市の自浄作用が今まさに問われている。(中島五郎)