【独自ルポ】「サピオ稲荷山プール存続請願」を巡る裏切りと不信 執行部が関与か?

 


狭山市議会で史上初となる「政治倫理審査会」が設置され、大きな波紋を呼んでいる。

  対象となったのは、千葉良秋元副議長である。。昨年9月議会で審査された「サピオ稲荷山プール存続」を求める市民からの請願に対し、千葉元副議長が請願者を欺き、議会の信用を失墜させたとする倫理規範違反の疑いが問われており、3月から4月にかけて計5回にわたる審査が行われ、当事者たちの口から生々しい証言が飛び出した

 事の発端は昨年8月。プールの存続を願う市民の横田氏らが、千葉氏に相談を持ちかけたことだ
 横田氏らの証言によれば、8月29日に千葉氏から「請願に賛成する。ただし条件として、委員会では執行部批判をせず、話はプールに絞ってほしい」と提案された。賛成票が欲しかった横田氏はこれに従い、9月9日の委員会では批判を封印して穏やかに趣旨を説明した

 しかし、事態は急転する。翌10日、千葉氏は横田氏らを突如呼び出し「請願は趣旨採択(実質的な不採択)にする」と告げ、13日の採決では趣旨採択の動議すら出さず、平然と「反対」に回ったという。横田氏は審査会に参考人として出席し、「見事に嘘をつかれ、裏切られた」と語り、議員が甘い言葉で市民の発言を制限するような姑息な手を使うことは絶対に許せないと強い怒りを露わにした

 一方、千葉氏は4月11日および24日の弁明で、「騙す意図は毛頭なかった」と真っ向から反論した。当初は賛成するつもりで調査を進めたが、施設の老朽化やPFI事業の採算性(VFM)を精査した結果、プールの存続は現実的に不可能であり、「市民全体の利益にならない」と判断を変えざるを得なかったと説明した。ただし、限られた時間の中で軽率に賛成の意を示してしまった点については自らの反省点として口にした

 だが、審査の中ではさらなる問題も浮上した。請願審査の最中に、千葉氏が市長や部長ら執行部幹部と密室で協議を行っていたこと、さらには当時の太田議長宛てに「(趣旨採択について市長らから)了承をいただきました」とするSNSのメッセージを送っていた事実が発覚したのだ
 二元代表制の下で、議会の採決方針を執行部にすり合わせていたとも取れるこの行動に対し、他の委員からは厳しい追及がなされた。太田議長も「手順や順番が違っちゃったんじゃないか」と本人に直接指摘したと証言している

 政治的駆け引きの中で、純粋な願いを持つ市民が置き去りにされた今回の騒動。審査会は5月に結論をまとめる予定だが、失われた市民から議会への信頼をどう回復するのか、狭山市議会全体が重い課題を突きつけられている