◆韓国・統営市の訪問は市民交流だけではなかったか。公式訪問とした理由は何故?(2023/12)

  姉妹都市である韓国・統營市(トンヨン市)への公式訪問をめぐり、田中寿夫議員と小谷野剛市長の間で激しい論戦が交わされた。

 


田中議員は訪問の経緯や「公式訪問」としての実態に疑義を呈し、「公務と称した観光ではないか」と厳しく追及。一方、市長はコロナ禍で途絶えていた交流再開という目的を強調し、正当性を訴えた。

 争点となったのは、今回の訪問における透明性と妥当性だ。田中議員は、国際交流協会が一般募集した際、当初の枠を上回る応募があったにもかかわらず、参加人数に不一致があった点や、キャンセル料を協会が負担した経緯について行政の管理責任を問い、訪問の招待状についても相手方から自発的に招かれたのではなく、市側からの働きかけにより発行されたのではないかと指摘。「相手が本来招待を意図していなかったものを、形だけ整えて訪問したのではないか」と懐疑的な見方を示した。

 さらに田中議員は、訪問中の写真として残る盆踊りの様子を挙げ、公務としての自覚を問うた。自民党女性局の仏訪問を引き合いに出し、SNS等での世間の反応にも配慮した行動が必要ではないかと質した。

 これに対し小谷野市長は、「コロナ禍で断絶した市民交流・行政交流を再開させるため、50周年を契機として行く意義は大きい」と反論。また、現地の歓迎会でのダンス参加については、長年の国際交流協会の伝統であり、極めて常識的な交流活動であると説明した。

 市長は、国と国の関係が複雑な中、首脳同士が顔を合わせ、直接対話を行うことは外交の基本であると強調。「先人たちが築いた絆を途絶えさせないことは、次の世代への責務である」と述べ、訪問は行政視察等を含め極めて有意義であったと結論づけた。

 今回の質疑は、民間主導の交流と行政がどこまで一体化して関与すべきかという「公式訪問」のあり方を改めて問う形となった。議会側は引き続き、行政の管理能力と説明責任を厳しく監視する姿勢を示している。