埼玉市民オンブズマンネットワークの指摘で、県内市町村の殆どが消防団に対する寄附金の受領を令和4年度から中止したが、狭山市は令和4年度も900万円以上の寄付金を受領していた。
このため、昨年12月議会に筆者(田中寿夫市議会議員)は
一般質問で、自治会等から納付されている消防後援会費を各分団に狭山市消防団条例に違反していると指摘し、解消をを求めてるとともに、サニープレスで新聞折込みを実施し、市民に告知してきた。 その結果、狭山市危機管理課は消防団や消防後援会及び自治会と数回の会議を行い、令和5年度から消防後援会費を受領しないと発表した。
今後の対応については、国及び全国市長会を通じた地方公務員法の一部改正の要望をはじめ、後援会費に代わる消防団絵の支援方法等について、自治会、消防後援会及び消防団の意見を踏まえ検証していくとしている。
これまで狭山市では消防後援会費として自治会等から年額900万円以上も寄付を受け、各分団に納付しその活動にあててきたが、筆者の一般質問で寄付金受領は消防団条例違反であるとして指摘を受けて違反解消のため受領しないとなったものである。
しかし、狭山市は消防後援会費を今後受けないとしながら補てんの予算は新年度には計上していない。
消防後援会費は消防団活動の補てんに充当していたことは市長も十分認識していたはずで、市が消防後援会費を受領しないと決定するなら公金で予算化するのが常識ではないのだろうか?
12月議会の一般質問で市長は、
「消防後援会の寄附が消防団員の結束力の強化や地元の情報交換の場の創出、また、献身的な活動に対する慰労などを目的としていると思われることから、地域における消防団の存在意義や役割を改めて評価する中で、今後の対応につきましては、消防団及び消防後援会の皆様のご意見も伺いながら、判断をすべきと考えています。」と答弁している。
消防団の活動に対して非常に理解があるような口ぶりであったが、口先ではなんとでも言えるだろう。寄付金を受領しないと決定したならば、真っ先に今後の消防団に対する交付金の増額を考え、予算化するのは当然の動きだが、全くその気配はない。
入間市消防団報酬6割増
見習うべき入間市の対応
入間市は3月議会に令和5年度から、消防団員の年額報酬を一人一律4万7千円引き上げる議案が可決され、県内市町村で最高水準になった。
入間市も、消防後援会費を受領していたが、オンブズマンの調査を受けて令和4年度から寄付金を受領しないことになり、危機管理課もその対処が早かった。
埼玉新聞によると消防団の報酬増額について「消防団は地域の要。活動の負担軽減のために待遇改善を行う」と語ったという。
消防団活動で団員の自己負担が多額であれば報酬の引き上げは当然であり、設置者である市町村はその費用負担をする責務がある。
狭山市では昨年まで同じ非常勤の特別職であった自治協力員(自治会長)の年額報酬(現在では報奨金)は400世帯以下は20万円、401世帯から1000世帯以下は23万円、1001世帯以上には26万円が支払われており、これから比較しても消防団員の報酬は極端に低いのがわかる。
消防団員の報酬比較は表のとおり。
令和5年2月6日付で飯能市長、狭山市長、入間市長、日高市長、所沢市長が連名の上「地方公務員法の一部を改正する意見書」を総務省に提出したという。その内容は次の通り。
「消防団員は有償ボランティアであり、その労苦に見合った感謝の気持ちを消防団に表したいという地域住民は、当然の事ながら存在する。いわゆる地域共助である。」とし、「消防団」と「住民」、そして「地域」との関係性が今後も保たれていくよう、「消防団への寄附行為等」について、地方公務員法などの一部改正や消防団を適用から除外するよう検討を図られたい。」との主旨である。
この文書を読んだときに筆者は、これが法治国家の首長の認識かと疑い文章を何度も読み返した。
それには「消防団への寄附行為等」について、地方公務員法などを一部改正や消防団を適用から除外するなどの検討を図られたい。」との内容が記されていた。
意見の理由は、「消防団の活動は、自治に起源がある。その活動は自主的に行われ、住民はそれに信頼を寄せ、敬意をもって支援し、寄附行為もその一つの表れであった。
昨今では消防団について悪い所だけが報道され、問題視されていることにより、これまで地域の中で育まれていた「消防団」と「住民」、そして「地域」と関係性が次第に薄れていってしまうことを憂慮している。」と記している。
この意見書は「寄附行為に関しは消防団だけを特別扱いにすべし」という内容だが、このような意見書を柴山雅彦衆議院議員に託して総務省に持参させたという事だが、こんなことで法律が変えることができるなら日本は法治国家と言えないのではないか。
