
【7月29日】 「年金型」生命保険金、所得税は二重課税 最高裁、逆転の「違法」判決
生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第3小法廷であった。
那須弘平裁判長は「二重課税に当たり、違法」との初判断を示し、課税は適法とした2審・福岡高裁判決を破棄、所得税の課税処分を取り消した。国側の逆転敗訴が確定した。-続きを読む-YOMIURI ONLINE-150
国側の訴訟資料によると、保険金を分割で年金として受け取れるタイプの保険契約は2007年時点で、最大手の日本生命だけで約210万件。既に遺族が年金を受け取ったケースも同社と住友生命の2社で1万3000件超に上る。国税当局は42年間にわたり二重課税を続けており、実務の見直しや徴収した所得税の返還を求められるのは必至だ。
訴えていたのは長崎市に住む主婦(49)。1、2審判決によると、主婦の夫は、総額2300万円の保険金を10年間に分け、毎年230万円ずつ受け取る特約付きの生命保険を契約。主婦は夫が死亡した02年、生命保険会社から一時金と初年分の年金を受け取った。この年金に対し、相続税に加えて所得税が課せられたため、主婦は「相続財産に所得税は課せないと規定した所得税法に反する」として国税不服審判所に不服を申し立てたが認められず、05年8月に提訴した。
国側は訴訟で、相続税の課税対象は年金を受け取る「権利」であり、現金で分割払いされる年金には所得税を課しても許されると主張したが、同小法廷は「年金を受け取る権利と、実際に分割払いされる年金とは経済的に同一のもので、所得税を課すことは許されない」と指摘した。
ただ、相続税の対象額は分割して受け取る期間に応じて決まり、今回のケースでは、年金総額2300万円のうち約6割の1380万円が対象となった。同小法廷は、残りの920万円については二重課税に当たらないと判断した。
06年11月の1審・長崎地裁は「二重課税に当たる」として違法と判断したが、07年10月の2審・福岡高裁は国側の主張を認めて1審判決を破棄したため、女性が上告していた。(2010年7月6日 読売新聞)
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